
埼玉県民に親しまれてきた「山田うどん」の回転看板が、ほぼすべて撤去されたことが話題になっています。
現時点で実働する回転看板はごくわずかになっており、将来的には完全になくなる見込みです。
この記事では、老朽化以外に語られていない経営判断の背景と、回転看板が消えていった理由を整理します。
山田うどんの回転看板とは
山田うどんは埼玉県発祥のロードサイド外食チェーンで、日本で最初に回転看板を導入したチェーンとされています。
1969年、4代目社長がアメリカへフランチャイズ視察に行った際、フリーウェイ沿いで見たケンタッキー・フライド・チキンの回転看板に衝撃を受けたことがきっかけでした。
当時の社長が1000万円かけて輸入したとも言われ、1969年1月の本格フランチャイズ展開開始と同時に所沢本店に回転看板を設置したのが始まりです。
トレードマークのかかしマークは、文部省唱歌「案山子」の歌詞「山田の中の一本足のかかし」が由来になっています。
1962年の商標登録時、リアルなかかしでは登録できず、やじろべえをモチーフにしたデフォルメかかしに変更されました。
回転看板が消えた理由
老朽化と安全面の問題
担当者によると、20年以上使っている看板も多く、補修を重ねてきたものの「物理的にも難しくなってきた」ため、順次回らないタイプの看板へ交換中とのことです。
機構の経年劣化に加え、強風など天候リスクもあり、安全確保の観点から「まわらない看板」へ切り替える方針になりました。
撤去完了の時期は未定ですが、将来的には完全になくなる見込みです。
経営陣が重視したのは「台形看板」だった
実は、回転看板の撤去には経営判断も大きく影響しています。
2018年7月、屋号を「山田うどん」から「ファミリー食堂 山田うどん食堂」へ変更する際、店舗外観を一新する「ファミリー食堂化計画」が推進されました。
外観リニューアルで「何を残すか」議論した際、役員が象徴として選んだのは屋根に掲げた黄色地に赤いかかしが描かれた台形看板であり、回転看板ではありませんでした。
役員会では「誰一人として回転看板に思い入れがなく、大事だとも思っていなかった」とのコメントも紹介されています。
つまり、老朽化が進んでいた回転看板は、リブランディングのタイミングで優先度が低いと判断され、撤去対象となった可能性が高いと考えられます。
トレードマーク変更の背景
「うどん専門店」イメージからの脱却
「山田うどん」という名前や回転看板のビジュアルだけ見ると、"うどん専門の昭和なドライブイン"というイメージが強くなっていました。
実際には、うどん以外に定食・丼・ラーメンなど多彩なメニューを持つ「ファミリー食堂」であるため、その実態と外観イメージのギャップを埋める必要があったと考えられます。
そこで2018年に「ファミリー食堂 山田うどん食堂」と名乗り、家族連れを意識したブランドへ舵を切りました。
かかしの表情を笑顔に変更
従来のかかしマークは「への字口」で、人によっては"ちょっと怖い・無愛想"という印象もありました。
新デザインでは口を反転させて笑顔にすることで、「来店客を歓迎する」「ファミリー向け」の柔らかいイメージを表現しています。
かかし自体は変えず、細部の表情を変えることで歴史と親しみやすさを両立させているのがポイントです。
今後の展開
現存する回転看板は、公式SNSでも「今ではもう、なかなかお目にかかれない回転看板」と自らレア化をアピールしています。
ファンや地元民の間では「見納めになるのでは」と、回転看板を撮影する動きも見られます。
完全撤去の時期は明言されていませんが、老朽化と経営方針の変更を考えると、数年以内にすべて撤去される可能性が高いと考えられます。
一方で、映画『翔んで埼玉』効果などで再び注目され、「回転看板」「かかしマーク」も含めて埼玉カルチャーの象徴的存在として扱われることもあり、ブランド価値としては残り続ける可能性があります。
ネットの反応
回転看板がなくなるのは寂しい。埼玉の風景そのものだったのに
X(旧Twitter)より
地元民からは惜しむ声が多く見られます。
逆に今見ると新鮮。回転看板あるうちに写真撮っておこう
X(旧Twitter)より
レア化を前向きに捉え、記録として残そうとする動きも見られます。
正直、回らない看板でも別に困らない。安全第一だし
X(旧Twitter)より
一方で、安全性を優先する判断に理解を示す意見もあります。
どちらの意見も、山田うどんへの愛着があるからこその反応だと感じられます。
まとめ
山田うどんの回転看板が消えた理由は、老朽化と安全性の問題に加えて、経営陣の優先順位の変化が大きく影響していると考えられます。
2018年のリブランディングで「ファミリー食堂化」を進める中で、回転看板は象徴として選ばれず、台形看板が重視されました。
完全撤去の時期は未定ですが、数年以内にすべて姿を消す可能性が高いでしょう。
今後も新しい情報が入り次第、追記します。
追記情報
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